第5章 新人MR実践ガイダンス
1 アポイントの取り方
既に会社との信頼関係が構築されている場合は、比較的すんなりとアポイントを取れることが多いですが、初対面の先生の場は容易ではありません。いずれにしても、先生方は日常の診療に多忙を極めています。訪問の目的を明確にし、先生にとって「無駄な時間」とならないよう有益な情報提供を心がけることが大切です。
「○○製薬の田中と申しますが、いつもお世話になっております。先生、来週水曜日にアポイントをいただきたいのですが、いかがでしょうか?」
先生との信頼関係があれば、これでアポイントをもらえることもありますが、決して先生の立場で考えているとは思えませんね。
特にオンライン面談の場合は明確な目的があって当たり前。その目的が先生のタイトなスケジュールに組み込まれる価値があるかどうかがポイントです。先生にとっては、一定の時間を割いてまでMRとの面談に対応する訳ですから、相応の成果が求められます。 まず事前に先生の日常診療をしっかり把握し、テーマをしっかり設定しておくことが必要です。
たとえば、先生から投げていただいたクエスチョンで薬物療法の課題を抽出し、それを含めたアンサーをオンライン面談で回答や提案するパターンが有効です。
【ポイント】
- 訪問(オンライン面談)の目的を具体的に提示します。
- 面談の希望日時をはっきり伝えます。ただし、外来や病棟回診など先生の勤務状況を把握し、これを最優先します。
- 先生のご都合が悪い場合には予備日を用意しておくか、あるいは先生から候補日を提示してもらいます。
- アポイントをいただいたお礼を伝えます。
- アポイントが確定したら、手帳だけでなく複数のTo Doリスト(パソコンのスケジュール表など)に記録します。
「○○製薬の田中と申しますが、いつもお世話になっております。先生、来週6月15日水曜日の外来診療後にアポイントをいただきたいのですが、いかがでしょうか? ○○ガイドラインの改訂について資料をお持ちしたいと思います」
このように訪問の目的に具体性があれば、先生も好意的に予定を調整してくださるはずです。
初対面の先生の場合は、さらに工夫が必要です。電話やメールでアポイントをお願いしても、「忙しいから」とあっさり断られてしまうことが頻繁にあります。
アポイントが簡単に取れるようになるコツやテクニックは