第3章 実地研修
1 実地研修の心構え
導入教育の前半は、ほとんど座学やグループワークです。知識の習得が目的とされ、MRの業務について説明はあるものの、話を聞くだけではピンとこないはずです。これは実際に体験しなければわかりません。
MR活動の実践を学ぶことが「実地研修」です。MRに必要なことは知識だけではありません。先輩MRに同行してもらい、実地面での教育によってMR業務の本質を学びます。ここでは、礼節などの社会人としての常識や人間力も養います。
この実地研修は、後にMRとしての成長に大きく影響を与えます。にもかかわらず、漫然と実地研修に臨んでしまっては、自分の成長の機会を放棄することになります。また、何よりも時間を割いてくれる先輩MRに対してとても失礼なことです。
新人MRの実地研修のようなチャンスは、もう二度とありません。これだけ集中して多くの先輩MRから学び取る機会は、後にも先にもこの時期だけなのです。これは後からしみじみわかることです。
何より大事なことは、真摯な姿勢で貪欲に多くのことを吸収する姿勢です。実地研修により、それまで座学やグループワークで学んだ知識の重要性がわかり、また知識だけではMRは務まらないことも思い知らされるでしょう。
実地研修を「自分を大きく成長させる研修会場」だと思えば、ワクワクしながら臨めるはずです。
2 実地研修5つの常識
非常識は絶対に許されない
実地研修は、実践教育によってMRの本質を学ぶ場です。何も臆することはなく、自然体で「学ぼう」という姿勢があれば十分です。製品知識を試されることもありますが、先輩MRも、また相手をしていただける先生も研修中であることは十分に認識していますので寛容に受けとめてもらえます。
しかし、新人MRとはいっても絶対に許されないことがあります。それは言葉づかいや挨拶など、社会人としての一般常識に欠けることです。社会人としての一般常識とは、新人MRの言動、立ち振る舞いなどの礼節だけではありません。服装や髪型、靴の汚れや爪の伸び具合に至るまで、新人MRの「見た目」までも含まれます。
実地研修で、もし新人MRが先生に不快な思いをさせてしまった場合、
実地研修で、もし新人MRが先生に不快な思いをさせてしまった場合、