新人MR マニュアル

コラム: 8 診療報酬のしくみ

周辺知識は学会情報や医学・薬学の知識だけではありません。医療制度、特に診療報酬に関して先生方は敏感です。診療報酬は重要な周辺知識として、また医薬品業界に身を置く者として「知らない」では通らない必須の知識です。
 まず、MRテキストにもある「医療保障」について復習しましょう。

日本では国民皆保険制度により医療が提供されています。医療保険は職域保険と地域保険に分かれており、皆さんのような製薬企業に従事する人は職域保険である各健康保険組合(保険者)に加入し、一部負担金を除く部分が保険者から給付されます。

医療機関は直接的に保険者に「診療報酬」を請求するのではなく、職域保険であれば「社会保険診療報酬支払基金(通称:支払基金)」、地域保険であれば国民健康保険団体連合会(通称:国保連合)に請求します(一部の大企業では直接保険者に請求する場合もあります)。
 支払基金や国保連合は、診療報酬の「審査」及び「支払」について、保険者等の委託を受けて実施する審査支払の専門機関です。

もしMRからの情報提供が不十分であった場合、支払基金や国保連合の審査で診療報酬明細書(レセプト)が査定され、返戻(へんれい)を受けることがあります。効能・効果や用法・用量は添付文書に記載されている承認を受けた正確な表記でないと返戻の対象になります。

次に診療報酬の請求・審査・支払の流れを、社会保険診療報酬支払基金を例にとって示します。

患者さんが受診した医療機関は翌月10日までに支払基金にレセプト請求しますが、医療機関に支払基金から支払われるのは翌々月の21日となります。もし支払基金がレセプトの誤記入を確認した場合は返戻され、さらに遅れてしまいます。

MRが効能・効果や用法・用量といった基本的な内容を当たり前に伝えることが大事であることを理解できたと思います。適正使用の情報提供は、患者さんだけでなく医療機関にとっても重要なのです。


TOP
error: 転載・複製は禁止されています。