インターカレーション法は、塩基対の隙間に入り込む(インターカレート)ことにより蛍光を発する色素を用いてDNAの定量を行います。
ハイブリダイゼーション法にはさまざまな方法があります。広く用いられているTaqMan(タックマン)プローブ法は、目的とするDNAと相補的なオリゴヌクレオチドに蛍光色素とその発色を抑えるクエンチャーという失活物質を結合させたプローブを用いてDNAの定量を行います。手順は以下の通りです。
●インターカレーション法
①まず、1本鎖DNAにプライマーがハイブリダイズし、
②続いて、DNAポリメラーゼの働きによりDNA鎖の伸長が行われ、でき上がった2本鎖DNAの塩基対の隙間に蛍光色素が入り込みます。
③インターカレートした蛍光色素は、周囲の塩基との相互作用により発光します。
●TaqManプローブ法
①1本鎖DNAにプライマーがハイブリダイズし(プローブも同時にハイブリダイズするが、クエンチャーの働きにより、蛍光色素は発光しない)、
②続いて、DNAポリメラーゼの働きにより、DNA鎖が伸長します。
③DNAポリメラーゼが1本鎖DNAにハイブリダイズしたプローブに到達することにより、プローブのオリゴヌクレオチドが分解、クエンチャーによる抑制から開放された蛍光色素が発光します。
④DNAポリメラーゼはプローブを分解しながらDNA鎖の伸長を続け、最終的にDNA鎖を複製して終了します。