最新の内視鏡には、拡大内視鏡と超音波内視鏡があります。拡大内視鏡は、顕微鏡でしかみえないような微細なものを、一方、超音波内視鏡は超音波装置と内視鏡を組み合わせたもので、がんがどの深さまで達しているかなどをみることができます。がんが粘膜層にとどまっている場合は、その場で切除するなど、最近は内視鏡による診断だけでなく、その場で治療をするということが行われています。
また、小腸の内視鏡検査もめざましく進歩し、カプセル内視鏡とダブルバルーン内視鏡では、従来の内視鏡の欠点である腸を引き伸ばすことから起こる激しい痛み、小腸内に50cm~1m入ったところで先に進まないなどの点を改善しています。
カプセル内視鏡は、薬と同じように少量の水とともにのみ込み、消化管内部を蠕動運動によって移動し、体外に排出されるまで1秒当たり2枚の画像を6~8時間撮影し、体外に送信します。体への負担は少ない半面、見たい部位に誘導できない、組織の採取やポリープ切除ができない、使い捨てで費用が高い、などが課題です。
一方、ダブルバルーン内視鏡は、6~7mと長く、体の内壁に固定されず蛇行している小腸を2つの風船状のバルーンを使って、内視鏡が小腸の壁に当たらないように進むことができるようにしたものです。ダブルバルーン内視鏡は処置や治療を行えますが、カプセル内視鏡に比べて体への負担は大きく、検査には1時間半程度かかります。
従来の内視鏡と違い小腸の病変をみることができるというメリットがあります。ただし、通常の内視鏡では先端から生理食塩水を出して患部を洗ってみるため、非常にきれいな写真が撮れるのに対して、カプセル内視鏡では水が出せないためきれいな写真が得られないというデメリットがあります。