全生存期間や無増悪生存期間などは、起算日からイベント(事象)が起こるまでの時間により計算します。
臨床試験の場合は症例登録を行った日や治療を開始した日(化学療法を開始した日や手術日)が起算日となります。臨床試験以外では診断確定日を起算日として用いることがあります。
全生存期間(OS)では、すべての死亡がイベントとなります。すなわち症例登録日から死亡までの期間ということになります。この場合、がんによる死亡だけでなく、他病死や交通事故死など死亡理由の如何を問いません。
無増悪生存期間(PFS)は、死亡または増悪のいずれか早くに起こったものをイベントとし、起算日からの日数を求めます。通常は増悪が先です。
このほか、治療成功期間、無再発生存期間、無病生存期間も起算日からイベントが起こるまでの時間により計算します。
治療成功期間(TTF)は、死亡、増悪、治療中止のうち一番早くに起こったものをイベントとして日数を求めます。すなわち、副作用などにより治療中止に追い込まれたような場合もイベントとして扱います。
無再発生存期間(RFS)は、術後補助化学療法における効果判定に用いられ、死亡または再発のいずれか早くに起こったものをイベントとします。通常は死亡より再発が先に起こります。
無病生存期間(DFS)も術後補助化学療法における効果判定に用いられ、死亡、再発と二次発がんのうち一番早くに起こったものをイベントとして扱います。
一般的に、OSが延命効果の代表的な指標となりますが、がんによってはOSのみでは効果がはっきりわからなくなることがあるため、PFSやRFSも同時に求められます。