抗がん剤の外来投与はどう行われるか、事例とともにみてみましょう。
患者さんはがん拠点病院で卵巣がんの手術を受け、術後化学療法のため外来通院することになりました。スライドに示すのは、病院側の作業の流れです。
来院するとすぐに採血を受けます。主治医が診察するのは、通常採血の結果が出てからです。主治医は白血球の状態や患者さんの主訴、バイタルサインを基にこの日の治療の可否を決定します。
治療が決まれば、医師から薬剤部に調製確定の指示が出されます。この指示により、化学療法剤の無菌調剤が行われ、処方レジメン・調製薬剤の鑑査を経て、治療室に薬剤が搬入されます。
点滴治療はここから始まります。アレルギー防止や吐気防止のための薬剤の後、パクリタキセル、カルボプラチンが点滴され、最後に点滴管を生理食塩液で洗い流します。全行程の終了には半日~1日を要し、これを原則3週間に1回、3~6サイクル行うのが標準的です。
スライドには15歳以上の外来化学療法加算Aと、閉鎖式接続器具を使用した場合の無菌製剤処理料を示しています。