末梢血だけでなく、組織内を活動の場とする免疫細胞もあります。
マクロファージは、末梢血中の単球が毛細血管壁を遊走して組織に移行するものです。強い貪食能と数ヵ月にも及ぶ寿命の長さが特徴です。マクロファージはそれぞれの組織に適応し、中枢神経ではミクログリア、肺では肺胞マクロファージといったように個別の名前で呼ばれます。そして機能も、各臓器に固有のものになります。
肥満細胞は骨髄系前駆細胞から生まれるもので、マスト細胞とも呼ばれます。組織内に存在し、炎症反応を起こしたり、Ⅰ型アレルギーの発症に関与します。
樹状細胞はマクロファージと同様単球から分化しますが、成熟にはリンパ系前駆細胞も関わっています。強力な抗原提示能をもつ細胞で、全身の組織に広く分布します。組織内で抗原を取り込み、所属リンパ節へ移動して、T細胞への抗原提示を行います。
マクロファージ、肥満細胞、樹状細胞は異物を大まかに認識する受容体、トール様受容体(Toll Like Receptor:TLR)をもっています。TLRはパターン認識受容体の1つで、病原体に対するセンサーとして働きます。